あなたは自分の「終活」について考えたことがありますか?
日本が高齢化社会を迎えた今、終活を始める方が増えてきています。

そもそも、終活とはどのようなものなのでしょうか?

ここでは終活の必要性と、具体的にどのようなことをするのかを説明していきます。

終活ってなに?

終活とは、簡単に言えば、自身の最期を迎えるにあたり、今のうちから準備をしておくことです。その内容は、財産の整理、お墓の購入、大切な家族へのメッセージなど、多岐に渡ります。

終活は本当に必要?

悲しいことですが、遺産相続で家族が争うことは珍しくありません。
自分にもしものことがあったとき、残された家族にかかる心の負担を軽減し、相続人同士の争いを防ぐためにも、終活は大事だと言えます。

また、自分の意思を正しく伝えるために、終活を始める人も少なくありません。
介護の方法や延命措置について自分の希望をしっかりと伝えておけば、家族がそのことで言い争うのを防ぐことができます。

就活をすることで、過去の楽しかった出来事や、家族との想い出を振り返り、残された時間でやるべきことを整理することができます。

終活ですべきこと

終活

財産を整理する

終活において、まず第一にすべきことは財産の整理です。
自分の持っている財産の中で、処分してよいもの、家族に受け継いでほしいものなどを振り分けていきます。

そして、銀行口座、有価証券、不動産などを一つ一つ洗い出し、リストアップすることで、財産がどのくらいあるのかを把握します。銀行口座が複数ある場合は、相続の際に口座解約などの手続きが増えてしまうので、一つにまとめておくとよいでしょう。

葬儀の方法やお墓の購入

葬儀の方法やお墓について、自分の希望を明確にしておくことで、相続人は手続きを円滑に進められます。

葬儀社の中には、生前に自分の葬儀方法を決められることを売りにしているところもあります。葬儀の具体的なやり方や、必要な費用などを事前に相談しておくことで、自分が納得のいく葬儀で送り出してもらうことができるのです。

また、最近では自分の遺影を事前に準備している、という人も増えてきています。遺影は代々残っていくものですから、少しでも良い写真を使いたいと思うのは自然でしょう。しかし、亡くなってからでは自分で選ぶことができず、不本意な写真を使われてしまう可能性もあります。生前に準備しておけば安心です。

なお、生前に墓を購入することは税金対策になります。覚えておきましょう。

介護や医療に関する決め事

重介護や医療に関して希望をはっきりとさせておくことで、家族を悩ませたり後悔させることなく、自分が希望する介護や医療を受けることができます。何も希望を伝えていないと、判断を迫られた家族間で大きな揉め事に発展することもあるので、とても大切なことです。

遺言信託とエンディングノートについて

エンディングノート

遺言信託とは、遺言を作成する際に信託銀行を遺言執行者に指定しておくことで、万が一のとき、信託銀行が遺言書の内容に沿って財産分割の手続きをするサービスのことです。
遺言信託を利用することで、相続人の遺産分割に関する争いを未然に防ぐことができます。

ただし、遺言信託は費用が発生しますし、作成するのに手間と時間もかかります。
そこで、終活を始めるにあたってオススメしたいのが、エンディングノートの作成です。

エンディングノートとは、自分に万が一のことがあった際、残された家族に向けて自分の意思や希望を書き記しておくノートのことです。

これにより、家族はあなたが何を考えていて、どのようにしてほしいのかを知ることができます。それが家族の心の負担を軽減し、相続人同士の争いを未然に防ぐことにも繋がるのです。

エンディングノートは遺言書とは違う

エンディングノートは遺言書とは違って、法的な拘束力がありません。その代わり、自由な形式で好きなことを書き残すことができます。
介護に関する希望、葬儀、加入している保険、などといった具体的な事柄から、生前お世話になった人に対して感謝の気持ちを伝えたり、相続とは直接関係のないことも気軽に書き残すことができます。

終活について相談するのなら

終活を始めたいが、どうしたらよいのかわからない…という場合は、終活カウンセラーに相談してみるとよいでしょう。ほかにも葬儀会社や保険会社でも相談を受け付けていたり、終活セミナーを主催している会社もあるので、利用してみてはいかがでしょうか?

終活はこれからのことを考える絶好のチャンス!

このように、終活をすることで、自分にもしものことがあったときの不安や心配事を減らすことができます。遺産相続の争いを未然に防ぐこともできるかもしれません。

もちろん、終活は残される家族のためだけでなく、自分のためにするものでもあります。終活でこれまでの人生を振り返ったことで、新しいスタートを切ることができたという人はたくさんいます。

自分の命が果てるのはまだ先のことだと思われる方も多いことでしょう。しかし、終活はいろいろなことを考える絶好の機会です。一度自分の人生と、残される家族のことをしっかりと考えてみてはいかがでしょうか?

財産を整理することで、これまで過ごしてきた人生を振り返ることができます。やり残したことが見つかれば、これからすべきことも見えてくるでしょう。家族や友人との想い出が次々と浮かんで、感謝の気持ちがわいてくるかもしれません。

「自分のために、家族のために、これからどうしていこうか?」。

終活は人生のうちで何度か訪れる「再出発」のきっかけにもなり得るのです。