遺産相続といえば、故人の兄弟・姉妹は関係ないのが普通ですが、場合によっては兄弟・姉妹に遺産が分配されることもあります。
ここでは、故人の兄弟・姉妹が遺産相続人になった場合に、気をつけるべきことを説明します。
兄弟・姉妹で遺産相続をする時の5つのポイント
遺産相続において、通常だと配偶者とその子供が法定相続人になりますが、故人に子供がいない場合や、両親が既に亡くなっている場合などは、故人の兄弟・姉妹が法定相続人に認定され、遺産を引き継ぐことになります。
その場合に知っておいた方が良いポイントが5つあります。
兄弟・姉妹で円満に相続を進めるためにも、ぜひ覚えておいてください。
ポイントその1〜1つの不動産を複数人で相続する場合
兄弟・姉妹が2人以上いるのに対して、相続する不動産が1つしかない場合、その不動産をどのようにして分配をするかを決めることになります。
不動産が1つということは、そのままの形で分配をすることはできません。長男か長女が中心となって、具体的な分配方法を兄弟・姉妹で話し合っておくと良いでしょう。
相続時に現金化して分配するのか。不動産を共同名義で相続するのか。誰か1人が不動産を相続し、残りの兄弟・姉妹には別途相続分の現金を渡すようにするか。具体的な方法を事前の話し合いで決めておくことで、相続時に揉めるのを防ぐことができます。
ポイントその2〜知らない相続人の存在が発覚した場合
遺産相続の話し合いをしている時に、思わぬ養子縁組などが発覚し、それまで知らなかった相続人が増えることもあります。
可能であれば、故人が亡くなる前にそういった関係は調査をしておき、どう対処するかを兄弟・姉妹で話し合っておくことが重要です。
ポイントその3〜お墓の管理
直接相続には関係はないのですが、故人のお墓や納骨堂などをどうするかで、兄弟・姉妹が喧嘩をしてしまうことがよくあります。
誰がお墓を管理するのか。また、法要にかかる費用はどのように分担するのか。こうしたことも事前に話し合っておかないと、後々揉め事の原因になりかねません。
故人から相続した財産の場合、葬式などの費用は経費として計上することができます。
その分を墓などの祭祀財産として分配するなどの具体的な方法を、事前の話し合いで決めておけば、無益な争いの原因を軽減することができます。
ポイントその4〜相続財産が少ない場合
故人が残した財産が少ない場合は、兄弟・姉妹が争うこともなさそうですが、一概にそうとは言い切れません。
分け前が少ないからこそ、相続人それぞれの家庭の事情によっては、喧嘩の原因にもなりやすいのです。
そうならないためには、少額の財産であっても、お互いが受け取る財産の割合を決めておくと良いでしょう。
兄弟・姉妹だからこそ、揉める前にしっかり話し合っておくべきだと言えます。
ポイントその5〜故人の世話をした人への寄与
兄弟・姉妹の中でも、故人が亡くなる前まで世話をしていた人は、通常、他の兄弟・姉妹より多く財産を受け取ることになります。
今まで面倒を全く見ていない兄弟・姉妹が、相続時だけ多額の分配を求めるのは大きなトラブルの元です。
そうしたことにならないように、故人の面倒を見ていた人には、通常の相続とは別に寄与分が考慮されるべきでしょう。
このように、故人の兄弟・姉妹でも法定相続人になる可能性があります。大切なのは、生前に兄弟・姉妹でしっかりと話し合い、お互いの考えを出し合っておくことです。そうすれば、相続時に揉めることは少ないでしょう。